オーナーの引き出し        第31回

春ですね〜!!暖かい日も増えてまいりました。
こんな日が増えてくると球場に行くのも楽しくなります。ぽかぽかの陽気と球場・・・
そんな先日、5,6年前まで野球には全く興味の無かったおひラに、ある記憶が蘇ってきました。

何歳だったか・・すっかり忘れてしまったけれど、小さかったおひラは隣の市のじいちゃんの家に遊びに行っておりました。じいちゃんの家のすぐの所には大きな池のある公園と、ジョギングコースを登る小さな山、そして動物園・・と子供には格好の遊び場があり、おひラも良く遊びに行っていました。
ある時、じいちゃんが「散歩に行こう」というので、小さなおひラはじいちゃんと手をつなぎ、その公園へと向かいました。
ひとしきり公園で遊んだ後、「今日はちょっと遠くに行ってみようか?」と・・言ったか、言わなかったかは忘れましたが、その公園を出て裏へまわり、又そのスグ近くの川の方へ・・・
すると、川の隣にきれいな場所(球場)が現われたのです。
今ではそんなに・・でも無いのでしょうが、その時はとてつもなく広く、大きな場所に感じました。
2枚くらい、野球用にグランドがあった記憶があります。
1枚の方では大人たちが何かをやっていました(多分、野球でしょう)
空いているもう一つのグランドで、おひラは遊び、駆け回り・・・疲れたところで、隣の球場の低い塀に腰掛け休憩していると、じいちゃんがアイスを買ってくれました。忘れもしない「サンキスト」のオレンジの棒のアイス。なんていうのか・・・ビビットなオレンジ色で、そこらのオレンジ味より全然美味しかった気が・・・本当は着色料バリバリだったのかも・・ですが・・・。
あれから、あのアイスを探したけど、2度と出会う事はありませんでした。
プロではないけど、それが多分、おひラの球場初体験です。
おひラは野球に興味がなかったけれど、実は、じいちゃんもばあちゃんも、案外野球が好きだったみたい。
そしてお袋も・・実はおひラより野球に詳しかった・・のは、おひラがこんな形で野球ファンになってから知りました。
何で興味が無かったのか?不思議なくらいでふ。
あれは丁度・・こんな暖かい陽気の日だったなぁ・・・。

あれから25年以上、ヘタすれば30年近く経っている・・・のに、なぜか思い出した小さな記憶・・・。
じいちゃんはおひラが中学1年の時に亡くなってしまったけど、2人だけで出かけたハッキリした記憶は・・これしかありません。家族みんなでは沢山どこかへ連れて行ってもらったのに、2人だけ・・って、この球場とアイスの記憶。
多分、初孫だったので記憶に無い所では、さんざん可愛がって貰ったのでしょうがねぃ。

今はおひラ田舎にもプロ野球(しかもライオンズ戦)が毎年来ます。
もし、じいちゃんが生きてたら、きっと一緒に行ったのかも・・・。今度はおひラがじいちゃんにお茶なんか買って上げてたりして。

実は今日はじいちゃんの命日です。
じいちゃんの思ったとおりのおひラには・・多分育っていないでしょうが、元気にやってます。
これからは、暖かい陽気に球場に行く度、オレンジのアイスを食べる度、じいちゃんの事を思い出すでしょう。

野球ファンである人には、きっと様々な「球場の記憶」があると思います。
これから沢山の「良い記憶」を・・ライオンズに作って欲しいなぁ・・と勝手に思うのでした。

2004年4月13日 記