オーナーの引き出し        第25回

名前を売るんだってさ。
キャンプ前に急に入ってきたニュースには仰天させられました。色々な経緯、思惑は有るんでしょうが・・まず牛ファンがドウ思っているのでしょうか?そして選手は??
単純に言えば「親」が「子供」の事を誰かに「あんたの好きな名前を付けてイイですよ。親としての自信は有りますから育てるのはコチラでやります。名前を付けた分、養育費は払ってね。」みたいな感じがするんだけど・・違うのか?
これは企業間でも揉め事の種になりそうな気がしますが・・・ドウなんでしょうか?
どうもニュースを見たりしていると、プロ野球には加盟金というのがあり、それが30億円。身売りなら、買ったところはそれを払わなきゃならないそうです。
牛の考えたのはこのリスクを抜いて売りますよって事らしい。

昔からパリーグの球団経営は苦しい・・らしいのですが、それ以上に苦しくなる理由・・・
これは年俸の急高とFAじゃないかと思いまふ。特に今、窮地と言われている牛、鷹にはこれが大きいと思う。
まぁ、今回鷹のことは・・置いといて。
年俸が○億円と聞いて世間的に見たら「すげぇなぁ、このご時世に!」と思うけど、プロ野球の世界で名前の有名な選手には当たり前になってきている。でも、金の無い球団にとってこれは非常に辛いことでもある。
牛は’89年以来’01年にリーグ優勝したけど、12球団唯一日本一になっていない。
観客動員も急激に増える訳ではないし、利益は頭打ち。
選手個人の活躍は評価されるべきだとは思うが、普通の会社なら「利益を分配」するのが給料だから、パリーグ球団(セもあるけど)は給料なしだ。
しかし、そうもいかない。球団を持てる条件として、球団の損失は親会社が補填できる。というのがあるらしい。それぞれの球団の親会社は毎年、損失を補填している訳だ。
しかし、その部分は選手には全く見えないところで、選手は成績と貢献度を理由に増額を要求することになるわけですな。
ライオンズは給料がいい方らしい。とはいっても案外正当な評価をしていると思う。(これには色んな意見があると思うのでおひラが思うことですけどねぃ。)
優勝&日本一になったら活躍した選手には給料を上げる。人気のある選手にも給料を上げる。しかし人気が有っても活躍しきれなければ給料は上がらない。FAの選手は基本的に獲らない。要は選手の商品価値をシビアに反映させていると思う。
そして、基本的に選手は育てる。いきなり○億円でどっかから選手を持ってくることもしないし、1年活躍しました!って言ってドーンと上げる事も有るけど、それに台頭してくる安値な選手がいれば手放す。
非情な部分もあるけど、これはいたしかた無い事だと思う。なぜなら「商売」だから・・・「プロ」だからだ。同じ損失でもリスクは小さい方がイイに決まってる。
ライオンズ黄金時代、他球団から見たら羨ましかったに違いない。年俸は圧倒的に高かったからだ。しかし、給料が上がるのには優勝という理由があった。それも一度ではない。うらやましがったって勝たなきゃダメなんだ。勝てないなら人気が無くちゃダメなんだ。
もちろんライオンズだってそうだ。
でも・・・FAがあり、自由獲得枠があるせいか・・はっきり言って他球団は給料をバカバカ上げすぎじゃないか?!
今、金が無くては強くなれない・・・みたいな風潮があるのは「G」のせいだと思う。(「これ以上球界の悪評を」って言うけど・・・「G」が方針を変えたほうが充分に悪評を減らせると思うが)選手だって給料が高い方がいいのは当たり前・・だけど、球団経営を圧迫する様な給料でしか引き止められない球団と、これ見よがしに金で選手を買う球団と・・・これではドコももたなくなってしまうと思う。

話を元に戻しますが・・・35億というお金で「近鉄」という冠をはずしどっかの会社名が入ったとして・・・35億に見合う露出とメリットが発生するんだろうか?35億出した会社はチームの「親会社」ではないわけで何か有っても経営陣に文句は言えない(理屈上はそうなる。実際は無理だと思うけど)。名前を買っただけなんだから。
そんな買い物は出来ないと思うけどなぁ。バブル期じゃあるまいし・・・。
球場に名前をつけるのとは訳が違うと思う。球場は「建物」だけどチームは「人」だ。
苦肉の策なんだろうけど、鷹の時も書いたように母体がモタナクなった会社は球団を売った方がいい。
ファンは付け焼刃の策で曖昧にされているソノ緊張感が嫌なんじゃないだろうか?シーズンオフが近づくと出て来る不安感がたまらなくシンドイんじゃないだろうか?

加盟金の30億ってのも何に使われるのか、イマイチ不明だけど見直したほうがいいかも・・・。
球界と球団経営とお金。景気がイマイチ戻らないこの時期にこそ、根本的に見直すチャンスかも。

それにしても、日本人のクセみたいなものでしょうか。誰にも相談せずに事を進めるから、結果後手後手になっちゃうのは。
先ず、この件に対し、某金持ち球団のオーナーが遺憾を表し、我がライオンズのオーナー、パリーグ会長、そして新コミッショナーがそれぞれ遺憾を表明しました。こうなっちゃうと上手く行くハズの事も上手くいかないんですよね。


さてさて、勝手なことを沢山書いちゃいましたが・・・
ライオンズに同じ事が起きたら?!・・・同じことを書ける自信がおひラにはありませぬ。(^^ゞ
折角シーズンが始まるというのでテンション上がってたのに・・・チョイ下がり。違うテンションが上がっちゃったりして・・・。

それともなにかいっ?もしかしたらチームを盛り上げる為の作戦だったりして!!
う〜ん、牛に注意!ですねぃ。


2004年2月3日 記

*2月5日 近鉄は命名権の売却を撤回しました。