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 オーナーの引き出し        第47回

戦後60年・・・・毎年、この時期には色々特集などがされるけど、今年は節目になりやすいこともあって特に沢山の特集がされています。
戦争を自覚し体験された方々も少なくなってきており、身近にリアルな体験を聴く事が難しくなってきた昨今、TVなどが大切な機会でもあります。
にも書きましたが、おひラはなぜか、戦争に対する本や映画、漫画などを読むことが当たり前になっていて、一時期は親に心配されるほど見たり読んだりしてきました。もちろん今年もそれは変わりません。
こういう風になったのは、小学2年ごろ、ある本を読んでいて疑問に感じた事がきっかけでした。ある人が田舎の祖母の家に行きどこかから見つけた古い暦に弐千〇〇年と記されているのを見て、その時代の話を聞くというものでした。この弐千〇〇年というのは日本独自の暦で「皇記」と言われるものらしく、特に戦時中の日本で使われていたものです。「カレンダーまで変えさせてしまう戦争ってなんだろう??」
そのうち家の本棚で「はだしのゲン」を見つけて読み、ナゼこんな事が起きたのか・・・ということを知ろうとするうちに色々とあさる結果になりました。
歴史的、政治的背景はもちろんですが、一番知りたいのは「その時の人々の生活や気持ち」です。
「死にたくない」と言えない時代・・・命を捧げても守ろうとした物・・・普通の状態ではない狂気の時代にも、生きているのは大勢が普通の人達で普通の感情があります。しかし生きていく為に大義を信じ、敵を殺し、国の為に死んでゆく・・・・。
当たり前に明日の朝がやってくる今では考えられない時代です。
そしていつも思うのは生き残った人の話を聴くのはもちろん大切な事だけど、その話を聴きながら亡くなった人の思いを想像する事がとても大事じゃないかな・・・という事。
嘘か本当か・・ということでなく、人は生きている限り忘れようとする事もあるし、何かで美化したり言い聞かせないと辛すぎる思いがあるから嫌でも形を変えてしまう部分があるだろうけど、そこで止まってしまった思いにはきっと脚色のない現実と真実がその日、そのときのままある様な気がする。
おひラの拙い想像力では限界があるけれど、「ザ・コクピット*1」とか「戦空の魂*2」とか、漫画でもそういう想像を助けてくれるものが出ているので、興味ある方は是非読んでみてください。

何でこんな事を書いたか・・・というと、今年の甲子園、「広島代表の高陽東が原爆投下時刻の午前8時15分に合わせて黙祷した際、他校にも呼び掛けようとしたところ、日本高校野球連盟(以下高野連)から止められた」という記事を見つけたからだ。
甲子園では8月15日の終戦記念日に毎年公式に黙祷がされている。それはいい。
だけど長崎市からは以前から9日も黙とうしてほしいと要請しているということだし、まして今回の様な自主性のある高校生の行動を高野連が止めてしまうってのもどうかな・・・と思う。
戦時中、毎日沢山の人が亡くなり、広島や長崎だけが特別な日ではないかもしれないが、やはり特別な日なのだ。
日本しか、広島、長崎しか知らないあの日・・・・その犠牲になった方々に僅かな時間を捧げる事は大切だと思う。
戦争を知らない世代に生まれた人がそういう事を考える為には一つでも多くのきっかけが必要だ。戦時中はセンバツ高校野球も中止になり、甲子園で活躍した人達や甲子園を夢見ていた方々の中にも学徒動員で戦地へ赴き亡くなられた方が沢山いただろう。広島、長崎にもそういう思いを持っていて原爆でなくなった人が居たと思う。
自分と近い思いや夢を持っていた人々の中にもそういう人がいた事を知ることで、思いへの想像はぐっと近くなると思う。
何よりもそういう人のおかげで今日があるのだから、6日、9日もほんの少し思いを重ねる時間を作ったっていいじゃないか。

今は憲法改正にはじまり、靖国問題や特に中国、韓国との戦争責任、戦後責任問題が取りざたされている。個人的に「自分の政治的権力の誇示やパフォーマンス」に使ってるんじゃないだろうか・・・と思うことすらあるのだが、それについてはどちらか一方がどう・・・という事では捉え切れないので書かない。
今から一番出来ることは2度と戦争を起こさない事だ。(もう起きてしまっている悲しい現実もあるが)
戦争になってしまえば誰もが加害者にも被害者にもなりうる。けど、そうなりたくはない。
その為には知る事、そして自分に近く想像することだとおひラは思っている。日本人が・・・・ということでなく戦争に参加した(せざるをえなかった)全ての人々、平和であれば犠牲にならずにすんだであろう、自分とあまり変わらなかった人々の思いを少しでも近くに感じる時間をこんな機会だけでも持っていきたいと思う。

2005年8月7日 記


*1 ザ・コクピット=松本零士が書いた戦場漫画シリーズからなる戦場漫画を収録した作品。「わが青春のアルカディア」などもここから生まれた。また、この中から3作品がOVA化されている。
*2 戦空の魂=天沼俊が書いた戦記ロマン。はじめはオールマンで連載されていたが、そのシリーズが終了。現在はスーパージャンプで「戦空の魂−21世紀の日本人へ」として不定期連載中。