オーナーの引き出し        第49回

地域密着ということで球団名に地区名を入れようという話が出ていますね。
おひラも地域密着は大事なことだと思っています。その上で色々考えて見ましたが、個人的にはどうもシックリきません。
それは今、所沢に住んでいながら田舎育ちだからかもしれませんね。
慣れの問題もあるかもしれないな・・・。
にも書いたんだけど、「地域名を入れる」って、ライオンズにとっては、すごく難しい事だなって思うんですよねぃ。
みんなが考えて、間違いなくこれだ!っていうどこか地域名が浮かぶなら別です。でも、県名か?市名か?以上に色んな名前が出て来るって事は地域密着が出来ないというんじゃなく、地域名をつけるのが難しい場所だってことじゃないのでしょうかねぃ。
しかし、こうやって地域を限定するに難しいところにあるからこそ、新しい地域密着のモデルになってもいいんじゃないでしょうか?
指定地域(ライオンズは埼玉県)以外ではイベントなどの制約がありますが、お客さんがそこから来ないわけじゃないし、イベントや地域の物産、名物、産業などを広める為の協力をしながら、もっと狭い部分と同時に広い部分にも目を向ける余裕があってもいいのかな?と思います。
何でかと言うと・・・・・
これは位置関係を示した簡単な図です。(ちょっと簡単すぎるか・・・・(^^ゞ)
薄青の部分が所沢市。球場じゃない赤い点は所沢駅です。
わかりますか?球場と西武園遊園地を越えると沿線も東京都に入っていきます。
所沢の駅も一つ手前の駅は東京都なんですね。東大和、東村山からくるお客さんもいます。
そして、所沢の人も勿論いますが、川越から来たよとか、入間市、狭山市からって人も沢山います。
ツリャは東京都から自転車で通っていたファンだし・・・・。
特に熱心に応援してきた人達はみんな、そこそこ近ければ自分の地域に関係する名前も付けたくなりますよね。
そんなわけで、地域名を入れるのが嫌だ〜!って言ってるんじゃないんですが、おひラはもうちょっと考え方が違っています。
そもそも『地域密着は名前から』か?というところに疑問があるんですよね。
北海道、福岡、広島、横浜、千葉、東北・・・・地域の名前の入っている球団って、実は特殊な地域や理由だと思っています。
北海道は一道が一つの島だし、福岡も本州とは離れた所。広島は球団の生い立ちが戦後の地域を元気づける為でした。東北は球団が白紙になっていた地域で『東北』ってつけても邪魔がない。千葉は「東京」とか「新東京」とか付く施設も多いけど、それも千葉にあるのは周知の事実になってる。横浜は人口も多く、更に「横浜」というイメージが球団以外にも大きい所です。
ところがライオンズは関東圏、隣にはヤクルトスワローズ、読売ジャイアンツもあります。
例えば日本ハムファイターズが北海道に移転しなかったら「東京」とかって付けたと思いますか?
何だか、所沢にするにしても、埼玉にするにしても、埼京にするにしても、・・・色々他にもありますが、球団名に地域を入れた途端、すごく狭く感じてしまうんです。閉鎖的な匂いがするっていうのかな。
Jリーグを引き合いに出す人もいるけど、Jリーグはどちらかというと主に県名より市名で、チーム数も多いので、それはそれでおかしくない。試合数だって野球より全然少ないですよね?
おまけにJ1・J2と入れ替えがあってプロ野球とは違う要素でファンを煽れる材料があります。
そうするとライオンズは「所沢」がつくことになりますね。
大リーグは州や地域の名前が入っていますが、市の場合は世界に誇る超大都市、州だって1つの州が日本の国1つ入るくらいの大きさです。

地域名を入れないと、地元に密着ってできないですか?逆に、名前を入れたからって、地域密着した事になるんでしょうか?
おひラは『名』より『行動』が先じゃないかと思うのです。
今や世の中、地域密着論ってのはスポーツチームがある所に必ずと言っていいほど出て来る話です。それがおかしいとか、間違いだとは思いません。

所沢に越してきて、ライオンズ売却の話が出たときに驚いた事があります。
所沢である商売をしている人とお話をしていたところ「野球には全く興味もないし、見に行かないけど、ライオンズがいなくなったら困るなぁ」という事でした。
実はおひラ親戚も所沢市にいるのですが、野球は見に行きません。
逆に杉並に住んでいたときは「昔はよく行ったもんだよ」とか、「この間も行ったんだよ」っていう人がいっぱいいたし、おひラの地元から「夏休みは毎年西武球場に行くよ」って人もいました。
つまり、地元(所沢や埼玉)で少々ライオンズの存在が利をもたらしていても、関係ない人には関係なく、地元じゃなく利は無くとも見に行く人は行くのです。
地域名を付けたからって地元が何か特別に潤うって場所でもないでしょう。
チーム名が変わったからといって、どの人にも大きな影響があるわけではないと思いますが、地域名を入れて狭くするより、地域密着の活動を幅広くアピールし、協力しながらも今までの間口を開けておいたほうがいいような気がするのは気のせいでしょうか?
地元の商店や飲食業の方と協力して、登録すればセールにライオンズの名前を使えるとか、インボイス西武ドームを貸して行う地元主催・協賛のイベントに来た人の乗車券を若干安くするとか、地元(所沢や埼玉県)の小・中学生にはファンクラブと別に割引を設けたりするとか、ファーム戦を県内色んな所でやるとか、公式戦日に県内の産物や名物・物品を販売するとか・・・まあ、おひラのは拙いアイディアですが、「何をするかが先!」だと思うわけです。
西武ライオンズと地元が手をつなぐ事は名前じゃない所でも充分に出来るはず。地元の人の協力を名前で促す形じゃなく、球団が地元に協力して盛り上げるというスタンスの方がずっと地域密着じゃないのかな?
どんな名前がついていても、所沢や埼玉の人が「ライオンズはウチの地元チームだよ」って言ってくれればいいわけだし、逆にライオンズって所沢(埼玉)にあるチームだよね。って外の人達が言ってくれればいいわけで・・・
所沢市は所沢市で横浜の様な「球団以外のイメージをつける努力」をして、その中にライオンズがある方がメリットがあるように思います。名前云々はそれからでも良いのでは?
要はみんなが「ライオンズに地域名を入れるなら〇〇だよね」って確信を持てる状態になってからでいいんじゃないかと思うんですけど・・・どうでしょう?
それが無いなら無理に名前で地域を限定しなくてもいいような気が・・・・。
志高く、新たな地域密着のモデルになれる球団を目指してほしいんですけどねぃ。

2005年12月4日 記